RS設立記

【RS設立記⑲】圭介

2009年のリージョナルスタイル設立から2016年までを、「設立記」としてご紹介します(全20回)。

※この記事は2016年12月~2017年1月に取締役植田が個人ブログにて執筆したものを再編集して掲載しています。

2015年、わたしたちが一番気にかけていたのは圭介の体調のことでした。遡ること2014年の冬、いつもの「社長の森の会議」の前日に、圭介から電話がありました。

圭介「植田さん、ちょっと相談があるんですけどいいですかぁ」
植田「(ちょっと酔ってて)何よ、早く東京来いよ、待ってんのに」
圭介「いや、さっき高岡さんにも連絡したんですけど、今回、森に行けなくて」
植田「え、どしたの?」
圭介「ほら、前から口内炎が治んないって言ってたやつあったじゃないすか~」
植田「ああ、言ってたね」
圭介「あれ、病院に行ったら舌癌て言われて、入院しなきゃいけないらしいんですよ」
植田「・・・ガン??」
圭介「まぁ、割と大丈夫なことが多いらしいんすけどね!」
植田「いや、森なんていいから、そっち最優先して。ちゃんと先生の言うこと聞けよ!」
圭介「あ、はい。大丈夫っす」

圭介の口ぶりでは、長くても2ヶ月程度の入院だそうで、早ければ年明けには業務に復活できるとのことでした。ところが年が明けて手術日程近くになって、連絡が取れなくなります。数日経ってやっと連絡が取れたら、「入院中に腸閉塞になって、先にそっちを手術しました。やっと起き上がれるようになりました」と。いてもたってもいられなくなり、すぐに静岡に行きました。

さすがの圭介も治療疲れをしていて、「腹が痛えっす」と言っていました。そして、その後の一言に、これまでにない衝撃を受けました。

「腸閉塞の原因がガンだったんすよね~。。」

最終検査結果が出ないとわからないと言いつつ、圭介は淡々と病状を詳しく話してくれます。わたしは、悲しいともちょっと違う、なんとも言えない感情が顔に出てしまわないよう、必死に堪えながら圭介の話を聞きました。

圭介は弱音を一切吐きません。こんな彼を見て、なにか自分に出来ることはないか。リージョナルスタイル加盟企業の社長全員が、いや、メンバー全員、リクルートで出会った人たちが、何よりも静岡で出会ったお客様が思ってくださったのだと感じます。

彼の治療に付き合って一緒に名医のところに通ってくださる方、体調回復に良さそうなものを次々送ってくださる方、すごくたくさんのファンに囲まれていることを知りました。

彼は病床でも「早く仕事に戻らないと」と言い続け、本当に静岡オフィスにも早々に出社し、抗がん剤を打ちながら東京の社長会にも出席し続けました。わたしは今までに、こんなに強い人を見たことがありません。

そんな彼は、リンク・アンビションを『銀河系一の会社にする』ことを切望していましたが、とうとう2015年12月9日に逝ってしまいました。

わたしたちは訃報を出張先の社長会の最中にうけました。今でもとても不思議なのですが、訃報を受ける前、彼が逝ったであろう時間に、部屋のドアがガタガタと大きな音をたてて揺れました。風も無い、地震も起きていないのにです。

きっと、社長会が大好きだった圭介が来たのだと、みんなで話しました。

年が明けて、圭介を偲ぶ会にはたくさんの方々が来られました。特に、高校時代でしょうか、大学時代でしょうか、彼が本当にラグビーを真剣にやっていたことが、ひと目で分かる友人がたくさん駆けつけてくれていました(笑)本当にありがとうございます。

創業社長が志半ばで倒れてしまったら、その会社はいったいどうなるんだろう。悲しみが少し和らいだ頃、次の心配は彼の会社とそのメンバーたちでした。しかし、彼のご家族のご協力もあり、また、彼が後進をしっかり育てていたこともあり、そういった心配は杞憂に終わりました。

やっぱり圭介は只者ではありませんでした。

残されたわたしたちは、リージョナルスタイルグループを『銀河系一の会社』にするべく、全力で頑張っていきたいと思います。

・・・世界一でも宇宙一でもなく(笑)

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