役員コラム

月刊リージョナルスタイル25年6月号「AIと採用」

リージョナルスタイル取締役の植田です。6月に入りました。そろそろ傘が手放せない季節になりますね。

さて、最近は仕事でAIを使う機会も増えてきました。まだまだ課題は多そうですが、それによって変わる採用現場と、今後企業に選ばれる人材像について考察したいと思います。

1. 採用はどのように変化していくか

ここ半年ほどで、採用の現場におけるAI活用は一気に実用段階に入りました。スカウトメールの文章作成、候補者との初期対応、選考フロー自動化などのシーンで利用が加速しています。

私たち人材紹介業においても、求人票の要約や提案文作成など、特に文章生成において活用する機会が増えてきました。

ただ、AIの利用が前提になってくると、差別化が難しくなるため、候補者に対して「他の企業との差をどうアピールするか」が重要になります。スピードはもちろんですが、その精度、そして対応力が、企業間で一層シビアに比較される時代に入りつつあります。

2. 今後採用するならどんな人か

そうした変化の中で“選ぶべき”はどのような人材でしょうか。

AIはすでに、文章やコードの生成も、データ処理も高速でこなします。ある企業では、入社間もない ITコンサル出身者が、業務のムダや停滞ポイントを可視化し、AIを活用して業務プロセスの効率化を実現しました。

AIの進化と活用に伴って、事務的な作業にリソースを割くことは、ますます減っていくでしょう。その代わりに今後、現場で求められるようになるのは「業務全体を見渡し、ツールを適切に使いこなすことができる人」 、「構造を理解し、全体最適を設計できる人」だといえます。

AIの活用によって自動化が進み、採用活動自体は平均化していくことでしょう。だからこそ、どんな目線で、どんな人と働きたいのか。その視点を伝えられる企業に、人は集まってきます。

「この会社で働く意味」が問われる時代。その問いに真っ向から向き合える企業が、次の10年の人材を呼び込むことができるのではないでしょうか。

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