リージョナルスタイル取締役の植田です。今年も残すところあと1か月となりました。今週から気温もぐっと下がり、秋から冬へと季節が変わろうとしています。今回は、U・Iターン転職者を取り巻く現状と、企業が採用に向けて歩みを進めるためにできることについて書かせていただきます。
1. U・Iターン転職の現状
現状を一言で表すと「超売り手市場」です。ほとんどの採用対象者には、他社もアプローチしていますので、どの採用対象者も選択肢はたくさん持っていると考えた方が良いでしょう。
採用対象者はその選択肢を細かく見て、少しづつ入社したい会社を明確にさせていきます。代表的な検討項目には「会社の魅力」「プロジェクトの面白さ」「一緒に働く人たち」そして「希望報酬が実現する可能性」などが挙げられます。
会社やプロジェクトなど、自社の魅力をしっかり伝えて意欲が高まったのに、最後に報酬が合わず内定辞退…となってしまうことが少なくありません。
2. 打ち手をどうするか
報酬が合わない、希望額よりも低いとなった場合に、給与制度を変えるのは非常に難しいことです。こうした場合に、実際にいくつかの企業で実施された例をご紹介します。
一つは「引っ越し費用の全額企業負担」というケース。環境要因により、引越し費用は以前と比べるとかなり高額になっており、転職者にとっては痛い出費となります。そこで、その費用を採用する企業が負担する、というものです。
そしてもう一つは「初年度のみ入社一時金を出す」というケースです。U・Iターン転職者は初年度の年収がもとの年収よりも下がることが多いのですが、その場合、前年の年収に対して所得税が課税されるため、転職初年度の手取り収入がかなり低くなる場合があります。新しい環境に慣れながら、金銭面でも苦しいとなると、精神的な負担が増えてしまいます。
このように、企業が金銭面で転職者をサポートすることは、採用成功率を上げるだけでなく、早期退職の抑制にもつながるでしょう。