リージョナルスタイル取締役の植田です。今回は、地方に大企業のリモート勤務案件が続々と増えることで、地方での採用に及ぼす変化について考えてみたいと思います。
1. 高い給与の大企業のフルリモート案件
今年7月以降、続々と発表される大企業のフルリモートへの取り組み。NTTはグループ全社員32万人の勤務を基本リモートワークとし、管理部門を首都圏から地方の中核都市に分散、地域密着の事業を強化すると発表しました。現在60あるサテライトオフィスも260以上に増やすそうです。そのNTTの平均年収(’20年3月期 有価証券報告書)は30歳代で820~870万円、40歳代で1,050~1,100万円。仕事選びは給与だけでするものではありませんが、高い給与の企業は人気があるのも事実です。こうした好条件がそろった大企業の求人案件は、地方企業の採用シーンに揺さぶりをかけるものと思われます。
2. 大企業と競って人材を獲得するには
従来、日本の多くの大企業においては、本社一括で新卒採用を実施し、「転勤」と「単身赴任」によって全国に人材を配置する人事制度を敷くことで、その屋台骨を支えてきました。しかしNTTは、この「転勤」「単身赴任」制度も、原則として廃止すると発表しました。これにより、新卒採用は今後継続されたとしても、やがて全国の様々な拠点で「転勤なし」「高給与」の好条件を引っ提げた中途採用を実施することが予想されます。
こうした環境においても、地方企業が良い人材を採用するには、大企業に見劣りしない待遇を準備するほか、魅力的な事業・仕事をつくり、経営者がそのビジョンをしっかり語って採用力で上回っていくことが、重要ではないでしょうか。
新型コロナ対策によって、企業の取り組みが一気に10年進んだとも言われます。この劇的な環境変化の中、良い人材を採用するため、半歩先のご提案ができるよう努めてまいります。